おんにっき おきがるversion

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6月1日 日曜日

 

 本気でやりなさい。でなけりゃ、偉そうな口を利くのはみっともない。

 と仔鹿がいうので、わたしは、ハイ、と姿勢を正す。仰るとおりでございます。
 このひと、草を食むような顔をしときながら、肝心なところではとことん厳しい。小説家になりたいということではないの、わたしはただ、小説が書きたい、小説を書いてみたい。それだけなの。と、熱に浮かされたように喚くわたしにいつも厳しい。じっと耳を傾けたあと、言う。

 だったら書きなさい。口を動かす暇があるのなら手を動かしなさい。

こうも言う。

今まで書いたものといえばどれもこれも習作の域を出ていないじゃないか。

 ハイ、わたしは頷く、まったく仰るとおりでごぜえます。

……きみは芸術家だから。夢をみるのが仕事だから。ぼくの庭で、好きなお花を咲かすのに専念するといい……

 とかなんとか言ってくれるような男に惚れられなかったことは、よいことなのか、わるいことなのか。

 それはきっと、これからのわたし次第。まあ、見ていてくださいな、みなさん、そして、仔鹿さん。

 (と、いうわけで、都合により、おん日記は、夏までの間、しばらくおやすみ致します。)